日本人が、忘れつつあるもの。
私がまだ子どもだった頃、近所の人たちは私のことをよく知っていて、
自分の子どもと同じように気にかけてくれていました。
街ですれ違えば挨拶を交わし、近況を尋ねられたりしたものでした。
親子で食卓を囲み、「今日は何をしたの?」と
楽しくおしゃべりをしながらごはんを食べる。
自然の中で五感を使って、のびのびと元気よく遊ぶ。
そして、子どもは地域の鎹として、
みんなで見守り、助け合い、子育てに関わる。
そんな環境が「当たり前」でした。
しかし、今はどうでしょうか。
20年、30年前に比べると、
生活は便利で快適になり、豊かになりました。
情報は過剰なほどにあふれ、
必要以上に目や耳に入ってくるようになりました。
しかし、人のつながり、地域のつながりは、どうでしょうか。
子どもたち、そして子育てする親たちが、
心豊かに育まれる子育てはできているでしょうか。
今、もう一度見つめ直したいのは、
遊び、食べて、寝るという生きることの根幹。
素材や自然で自ら遊びこみ、
「本物の食」「本物の音」に触れ、
感性豊かな子どもに育つことを大切にしたい。
ひとりひとりの個性を大切にし、人間性豊かな子どもに育てたい。
日本人が忘れつつある「当たり前の子育て環境」をめざして。